私たちが一番恐れている感染症、通称「パルボ」。
非常に感染力が強く、淡路ワンニャンクラブでも2014年5月、7月、2017年11月、2018年4月に保護猫が感染し、奇跡的に命を取り留めた猫もいましたが、救えなかった命もありました。今年の5月にもパルボに感染した子猫が保護されましたが命を落としています。
いつ、どこで発生してもおかしくないウィルスです。新たに猫を保護された方は、ひょっとるすと感染しているかも?と疑い、先住猫がいる場合はしばらく隔離し注意することで早期発見につながり、二次感染を防ぐことができます。
ワクチン未接種の猫への感染率は高く、子猫に感染した場合の致死率は90パーセント以上と言われています。
3種混合ワクチンには、このパルボウィルスに対するワクチンが含まれており、ワクチンを接種していることで感染しても死に至らず助かる可能性があります。
食欲不振、下痢、嘔吐が主な症状ですが、下痢がない場合もありました。熱があったり、水を飲みたそうにしているのに飲めない。という症状もよく見られました。
感染を調べる方法は犬用のパルボ検査キットで便を調べる方法(ワクチン直後では未確定)と血液検査です。感染すると名前のとおり白血球が減少していきます。
潜伏期間は約2~14日間。初期の場合は検査キットや血液検査では確認できない場合があります。
一番確かな方法は便、血液による遺伝子検査ですが、検査結果を待っている間に感染が広がってしまいます。
ひとたび感染してしまうと、治療薬はありません。インターフェロンや点滴など免疫をあげる治療を主に行い、抗生剤の投与、場合によっては輸血をすることもあります。
このパルボウィルス、乾燥環境の中でも数カ月、場合によっては数年生き続け、簡単に人の髪の毛、衣服、靴の裏、ホコリなどに紛れて別の場所に運ばれていきます。
通常の手洗い、消毒薬やアルコール、熱湯消毒では除去効果がなく、次亜塩素酸ナトリウム、過酢酸、ホルムアルデヒドなどが有効です。
淡路ワンニャンクラブではビルコン、次亜塩素酸ナトリウム、塩素系ハイターを使用しています。
完全室内飼いの猫でも感染のリスクがあります。かかりつけの動物病院と相談し、元気な時にワクチン接種をお勧めします。